突然の災害にどう備えたらいいのか、不安に感じたことはありませんか?特に東住吉区にお住まいの方にとって、地域特有のリスクや対策を知っておくことはとても重要です。本記事では、東住吉区で実践できる災害時の行動マニュアルをわかりやすく解説します。風水害への備えや個別避難計画、「マイ・タイムライン」の活用まで、どなたでもすぐに実践できるポイントを紹介しています。万が一に備えて、大切な家族やご自身を守るために一緒に知識を深めましょう。
地区別の防災計画を知る
大阪市東住吉区では、地域住民が主体となって防災活動を進める地区防災計画が各地域で策定されています。例えば、湯里地区は平成26年12月1日、桑津地区は平成28年11月5日、南百済地区は平成28年12月1日、南田辺地区は平成28年12月6日にそれぞれ策定され、地域ごとの備えの指針として機能しています。
自分が住んでいる地域の地区防災計画を把握することは、災害時に適切な行動をとるためにとても重要です。内容には想定される災害種別や避難ルート、避難所、住民同士の協力体制などが記載されており、日頃から内容を確認しておくことで実際の災害時に慌てずに行動できます。
地区ごとに異なる避難行動の前提としては、以下のポイントが重要です。

このように地域特性や防災組織の構成、避難構造が地域ごとに異なるため、自分の住むエリアの計画を「知る」「理解する」ことが、災害時に冷静に行動するための第一歩になります。
河川氾濫など風水害への備えを確認する住吉区にお住まいの方は、6月から10月の出水期において、河川の氾濫による浸水リスクが高まることをまず意識しておきましょう。区の公式ウェブサイトでは、大和川や寝屋川流域、西除川、さらには内水氾濫による浸水想定が明示されており、洪水による被害を事前に把握する手がかりとして利用できます。こうしたハザードマップをもとに、自宅周辺の浸水の深さや避難場所・避難経路を確認しておくことが、迅速な避難判断につながります。

区は、公式に「大雨や台風による河川氾濫から身を守るためには、ご家庭でも備えが重要である」と啓発しており、避難する際に必要な情報や避難先の確認、必要物資の準備を推奨しています。特に、避難所での感染症対策も区が行う予定であることから、ご家庭でもマスクや消毒液などの備えを忘れずに整えておきましょう。
そして、自宅にいらっしゃるご家族と、いざというときの避難場所や避難方法についてあらかじめ話し合っておくことをおすすめします。避難所だけでなく、安全が確保できれば自宅での在宅避難や、近隣・知人宅への避難も選択肢として検討し、誰が・どこへ・どの手段で避難するかを具体的に決めておくことで、緊急時にも冷静に行動できます。
個別避難計画(要支援者向け)を作成する
まず、令和3年(2021年)に改正された災害対策基本法により、高齢者や障がいのある方など、災害時に自力で避難が困難な「避難行動要支援者」について、市区町村が「個別避難計画」を作成することが努力義務とされました。これは、よりきめ細やかな支援を実現するための重要な制度です。
個別避難計画とは、「誰が」「どこへ」「どのように避難するか」などをあらかじめ整理したもので、避難行動要支援者とその支援者(避難支援等実施者)との合意のもとに作成されます。東住吉区においてもその作成が進められており、災害時に一人でも多くの方へ支援が届くよう取り組んでいます。
個別避難計画を作成するには、以下のような流れで進めます。

なお、計画の提出を求められるものではなく、「同意」が前提とされていますが、関係者間で情報を共有することで計画の効果が高まります。東住吉区では、避難支援等実施者が法的責任を負うものではない点についても明記されていますので、安心してご相談いただけます。
平時から支援者との関係を築き、災害時の安否確認の段取りを共有しておくことが重要です。避難行動要支援者本人やご家族の安全を確保するためにも、日頃からの備えと関係づくりを大切にしましょう。
マイ・タイムラインで避難行動を具体化する「マイ・タイムライン」とは、台風や大雨などの災害発生に備えて、「いつ」「何をするのか」を自分専用にあらかじめ時系列で整理する防災行動計画です。これにより、災害時に迷わず、家族や自分の状況に応じた適切な避難判断が可能になります。大阪市住之江区の取組でも「自分の逃げ方を手に入れましょう」と謳われており、自らの生活環境に即した備えとして重要な手段です。
東住吉区でも、過去に「マイ・タイムライン講習会」が区民ホールにて開催された実績があります。令和6年2月18日に東住吉区民ホール(区役所3階)にて、気象予報士・防災士の澤麻美氏を講師に迎え、「自分の逃げ方を考えよう」というテーマで講習が行われました。このような体験機会は、自助の準備として活用価値が非常に高いです。
以下は、マイ・タイムライン作成を具体的に進めるためのポイントです

このように家族構成や生活環境に応じたタイムラインを作成することで、「逃げ遅れゼロ」に近づく自助行動が可能になります。住之江区の実例では、河川氾濫・高潮・津波など災害種別に対応したマイ・タイムラインが公開されており、東住吉区でも同様の形式を参考にすることで、より実践的な計画が作成できます。
まとめ東住吉区で災害時に適切に行動するためには、地域ごとに定められた防災計画を理解し、風水害に備えた準備や避難の方法を家族で話し合うことが大切です。要支援者向けには個別避難計画の作成も推奨されており、日常から支援体制や安否確認手段を考えておくことが安心につながります。また、自分専用の「マイ・タイムライン」を活用して、具体的な避難行動を事前に決めておくことで、いざという時も落ち着いて対応できるでしょう。自らの備えが家族と地域の安全を守る第一歩となります。